パスポート
ここ最近は、シリア国籍の人と仕事をしています。
(だけじゃないけど)
ご存知の通り、今シリアは大変な状況で
彼も、彼のご家族もシリアの首都、アレッポに住んでいました。
(注:このような情勢になる何年も前に、彼の家族は仕事で中東に移住しています)
今では難を逃れるために、彼の親御さんは
第三国に住まいを持って生活しているのですが
彼の最近の悩みは、パスポートの更新です。
シリア国籍であるというだけで、入国を拒否する国もあったり
(例:クウェート)、身元がクリーンである事を証明するために
多くの時間と労力を費やしているんだそうです。
The world's most powerful passports
http://www.telegraph.co.uk/travel/lists/The-worlds-most-powerful-passports/
この記事によると、シリアのパスポートで、ビザなしで
入国できるのはわずか32/218 カ国。
世界ワースト5位の少なさです。
彼は電話で言っていました。
「仕事をするのに日本のパスポートがほしい位だよ。
シリアのパスポートはみんなに嫌われているんだ」
それに対して日本は173/218カ国、世界第5位の
グループに属します。
日本からでもブラジルやアメリカ、サウジアラビア等に
入国するにはビザが必要になるのですが
(先日もお話ししましたが、インドはもうすぐアライバルビザになるので割愛)
世界の約8割の国にパスポートだけで入ることができます。
これって実はすごいことなんだなあと
他の国の人と仕事をしているとすごく感じます。
同僚の中国人も、例えばアメリカ(日本人もですが)や
EU諸国に行く場合には、1カ国ずつの査証を取らなくてはなりません。
中東もそうらしいのですが、例えば査証を1カ国しか取っていない場合、
”他の国にも急遽併せて出張行って!”というのが
不可能なんだそうです。
中国に対しては最近、日本も査証緩和を行っていますが
それでもたびに出るには残高証明書や
身元情報など、かなりの情報開示を行わないと
査証が下りなかったりします。
フラッと思い立ってたびに出れる。
実は当たり前のことではありません。
政治的な背景だけではなく、金銭的に
取得できない人もたくさんいることを考えると
それだけで恵まれていると思いますし
イミグレで並ぶイライラも、ほんの少しだけ
軽くなる気がします(本当はあまりしません(笑))。